
解決事例 / Case Study
思い出の家から、静かに旅立つまで
神戸市中央区・築35年戸建のふっかつ物語
はじめに
神戸市中央区の閑静な住宅街で、男性がご自宅で亡くなりました。
発見されたのは、同居されていた奥様。突然の出来事に、これからの生活や手続きについて悩みや不安が重なる中で、当社にご相談をいただきました。
「できるだけ近所には知られたくない」「仏壇のことも丁寧に済ませたい」――奥様は、周囲に配慮しつつ、故人を丁寧に見送りたいという思いを持たれていました。
ご希望を一つひとつ伺いながら、気持ちに寄り添うサポートを心がけました。
ご遺族が抱えていた3つの不安
1. 長年暮らした思い出との向き合い方
自宅には、長年の夫婦生活で積み重ねた思い出の品々が数多く残されていました。ご主人と過ごした日々の記憶が詰まった家で、一人で暮らし続けることへの不安と寂しさを感じておられました。
「この家を片付けるべきなのか、それともこのままでいいのか…」
思い出を大切にしたい気持ちと、これからの生活との間で、奥様は悩まれていました。
2. 周囲の目に対する不安
近隣の目や周囲の反応が気になり、清掃や手続きの依頼についても決断できずにいました。
特に、清掃業者の車両が家の前に停まることで、事情を詮索されたり噂になってしまうのではないかと心配されていました。誰にも知られずに作業を進めたいという思いが強く、人に頼ること自体にもためらいを感じておられました。
3. 複雑な手続きへの戸惑い
不動産や通帳、印鑑などの管理はこれまでご主人が担当されていたため、いざ相続や各種手続きを進めようとしても、どこから手をつければよいのか分かりませんでした。
役所や金融機関への連絡、必要な書類集めなど、一つひとつの作業が大きな負担となっていました。
そのような中、市役所の福祉課の紹介で、当社にご相談いただきました。
ご依頼者様に寄り添った、解決までの3つのステップ

STEP1:まずは思いをじっくりと伺う
初回の訪問は、近隣への配慮を第一に、普段着で一般的な乗用車で伺いました。お仏壇に手を合わせた後、ご主人との思い出やこれまでの暮らしについて、ゆっくりとお話を伺いました。「急いで決めなくて大丈夫です」とお伝えし、奥様が納得されるまで時間をかけて、これからの進め方を一緒に考えました。
STEP2:思い出の品を一つずつ丁寧に
ご主人の使われていた品や思い出の品は、一点ずつ奥様に確認いただきながら整理しました。残すもの、手放すもの、奥様のお気持ちを最優先に進めました。
特に仏壇や位牌のご供養は「新しい場所でも手を合わせたい」という奥様のご希望を大切にし、提携寺院で丁寧に対応しました。
STEP3:近隣への徹底した配慮
物件の売却にあたっては、近隣への配慮を徹底しました。広告には詳細な住所を記載せず、内見は完全予約制とし、他の方とも重ならないよう調整しました。
購入希望者には、相続による売却であることを丁寧にご説明し、物件の状況や価格面でのメリットをお伝えしました。
結果、近隣には詳しい事情を知られることなく、スムーズに売却を進めることができました。
新たな始まり
売却手続きが無事に完了し、奥様からは「近隣に知られることなく家を手放すことができて、本当に安心しました」とのお言葉をいただきました。
仏壇も新居へ無事に移され、ご主人を身近に感じながら日々を過ごされているそうです。長年暮らした思い出の家は、新しいご家族が大切に住まわれることとなり、奥様も心残りなく新しい一歩を踏み出すことができたとおっしゃっていました。
静かに、穏やかに。奥様の新しい生活が、これからも続いていくことを願っています。
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