解決事例 / Case Study

賃貸アパートが「住みたい部屋」に生まれ変わるまで

神戸市須磨区・築25年アパートのふっかつ物語

はじめに

神戸市須磨区の賃貸アパートで、入居者の自死による死亡事故が発生しました。
オーナー様は突然の出来事に動揺を隠せず、家賃収入が途絶えたことへの不安、そして今後の物件価値への懸念を抱えていらっしゃいました。
一日も早く原状回復を進めたいという思いの一方で、「ただ元に戻すだけでは、事故物件という印象を払拭できないのではないか」という不安もあり、現実的な解決策を模索されていました。

オーナー様が抱えていた3つの不安

1. 遺品整理への対応

故人の遺品をどう扱えばよいのか。ご遺族との連絡は誰が取るのか。大切なものと処分するものの判断は誰がするのか。初めての経験に、ただ戸惑うばかりでした。

2. 物件のマイナスイメージの回復

「単なる清掃では、事故物件のイメージは消えないのではないか」。直感的にそう感じていたオーナー様は、どの程度までリフォームを行えば入居者が戻ってくるのか判断がつかず、対応に迷われていました。

3. 今後の運用方針

事故物件として告知義務がある中で、どのように入居者を募集すればよいのか。賃料はどこまで下げる必要があるのか。そもそも賃貸経営を続けるべきか、売却を検討すべきか。選択肢が多すぎて、決断できずにいました。

「複数の業者に相談するのも負担が大きい。誰か一括で相談に乗ってもらえないだろうか…」

そんな時、知人から紹介されたのが、私たち「ふっかつ不動産」でした。

ワンストップで実現した3つの解決策

STEP1:遺品整理と特殊清掃

まず、ご遺族の代理人と連絡を取り、遺品整理を実施しました。貴重品や思い出の品は一つひとつ整理表にまとめてご遺族にお届けし、それ以外のものは適切に処分させていただきました。
特殊清掃では、物理的な原状回復だけでなく、空間そのものが持つ「気」を浄化することも大切にしています。提携寺院でのご供養も執り行い、新たな始まりへの準備を整えました。

STEP2:イメージを一新するリフォームのご提案

単なる原状回復にとどまらず、事故物件という印象を払拭するためのリフォームをご提案しました。
間取りの一部を見直し、内装には白を基調とした明るいトーンを採用。機能性にも配慮することで、事故物件のイメージを一新しながら、以前よりも「ここに住みたい」と思える空間へと生まれ変わらせました。

STEP3:賃貸から売却への転換

オーナー様とご相談する中で、賃貸運用の再開ではなく売却という選択肢をご提案しました。
事故物件であることを開示した上で、リフォーム済みの状態と想定利回りを明確に提示。収益性を重視する投資家に絞って情報を公開した結果、「利回りの良い投資物件」として評価する買主と出会うことができました。

新たな始まり

リフォームを経て再販された部屋は、最終的に想定を上回る価格で成約しました。
限られた条件の中でも、適切な対応を積み重ねたことが結果につながりました。

オーナー様は、「遺品整理から特殊清掃・リフォーム・売却まで一つの窓口で任せられたことで、精神的な負担が軽減され、資産価値も守ることができた」と振り返っておられました。

大きな不安の中で始まった今回のご依頼でしたが、一つひとつ丁寧に向き合うことで、物件にとっても、オーナー様ご自身にとっても、新たな一歩を踏み出すお手伝いができたと感じています。