
解決事例 / Case Study
行政と連携し、所有者不明の空き家問題を解決へ導くまで
神戸市兵庫区・10年以上放置された空き家のふっかつ物語
神戸市兵庫区の住宅地に、10年以上にわたって放置されたままの戸建てがありました。登記名義人はすでに亡くなっており、調査を尽くしても、承継者がいるかどうかや、その所在を確認することが難しい状況でした。 建物は老朽化が進み、屋根や外壁の損傷も目立っており、近隣にお住まいの方からは安全面を心配する声が寄せられていました。
事態を把握した神戸市の空き家対策を担う部署が、物件所在地を管轄する地方裁判所に申立てを行い、所有者不明土地・建物管理命令が発令されました。これは、裁判所が管理人を選任し、所有者を特定できない、またはその所在が分からない土地・建物について、管理・処分を進められるようにする制度です。
過去にも神戸市の空き家関連案件で対応してきた実績があり、解体と不動産売買の両面に対応できる体制を把握いただいていました。今回も、制度活用と現場実務の両方が求められる案件の相談先として、私たち「ふっかつ不動産」にお声がけいただきました。
ご担当者さまが抱えていた3つの壁
1. 新しい制度のため、活用が難しい
所有者や承継者の確認が難しい物件は、通常の空き家対策の手続きでは進めることができない場合があります。今回適用された所有者不明土地・建物管理命令は2023年4月に導入された比較的新しい仕組みで、自治体の現場でも前例が限られていました。 ご担当者さまにとっては、制度をどのように活用しながら進めるか、手探りの部分が多い状況でした。
2. 解体と土地の処分を一括で任せられる業者がいない
老朽化した建物の解体と、解体後の土地の処分。通常はそれぞれ別の業者に相談・調整することになるため、行政側での管理や調整の負担が増えます。 一括で対応できる業者であれば、効率は大幅に上がりますが、建設業許可と宅建業免許の両方を持ち、解体から不動産売買まで一括で対応できる事業者は限られているのが実情でした。
3. 近隣住民への説明と、迅速な対応
長期間放置された建物は、倒壊のリスクはもちろん、防犯や衛生面でも問題があります。住民の方々からのお問い合わせや相談も寄せられており、ご担当者さまは一日でも早い対応を求められていました。行政として説明責任を果たしながらも、迅速に解決へ導くことが求められる状況でした。
ワンストップで実現した、解決までの3つのステップ

STEP1:現地調査と法的整理の確認
まず物件の現況を確認するための現地調査を実施しました。建物内部への立ち入りも含めた詳細な調査を行い、老朽化の程度、隣地との境界、安全上の問題点を一つひとつ整理しました。所有者不明土地・建物管理命令の枠組みの中で、解体から買取までをどう進めるかの全体像を関係者と共有しました。
STEP2:近隣に配慮した解体工事の実施
管理人による検討と裁判所の許可を経たうえで、老朽化した建物の解体工事を実施しました。 住宅密集地での解体工事は、近隣への配慮が欠かせません。工事開始前には近隣の方々へ事前にご説明を行い、騒音や振動をできる限り抑える工事計画を立て、安全を確保しながら進めました。建設業の知見があるからこそ、解体の現場管理から近隣対応まで一貫して対応できたのです。
STEP3:裁判所の許可を経た土地の買取
解体完了後、管理人を通じた裁判所への申請に必要な書類の準備にも協力しました。裁判所の許可を得たうえで、当社が解体工事を終えた土地を買い取っています。解体から買取までを一つの窓口で完結させたことで、行政側の手続き負担の軽減にもつながりました。長年の課題だった空き家問題が解消され、土地は新たな活用へと動き始めました。
新たな始まり

ご担当者さまからは、「解体から土地の処分まで一括でお任せできたことで、担当課内での調整や手続きも大幅に効率化できました。こうした案件を安心して任せられる業者があることは、行政にとって非常に心強いです」という言葉をいただきました。また、「新しい制度の適用で前例が少ない中、柔軟に対応していただけたのがありがたかった」とも話してくださいました。
今回のような所有者や承継者の所在確認が難しい空き家の解決には、制度上の手続きと、現場での実務対応の両方が求められます。建物を安全に解体する建設業の視点と、解体後の土地を適正に引き継ぐ不動産業の視点。その両方を一つの窓口で担えることが、行政や管理人の方々の負担軽減と問題の解決につながったと考えています。
長年、誰も手をつけることができなかった場所が、ようやく次の一歩を踏み出す——そんな瞬間に立ち会えることが、ふっかつ不動産の喜びです。
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